ASIA『ASTRA』(1985)
- Go
- Voice of America
- Hard on Me
- Wishing
- Rock and Roll Dream
- Countdown to Zero
- Love Now Till Eternity
- Too Late
- Suspicion
- After the War
- Geoff Downes: Keyboards
- Mandy Meyer: Guitar
- Carl Palmer: Drums
- John Wetton: Vocals and Bass Guitar
- Produced by Mike Stone and Geoff Downes
本人たちにとっても驚きであったと思われる、1st『エイジア』('82)、2nd『アルファ』('83)の大成功ののち、ウェットンの解雇・再加入とハウの脱退を経て制作されたのがこのアルバム。制作に長い時間をかけ、ウェットンも自信作として送り出したというこのアルバムは、しかしセールス的に振るわず、発売後のライブ・ツアーさえも行われなかったらしい。
その原因には、お家騒動、特にハウの脱退の影響もあっただろうが、ぼくが想像するところでは、「飽きられた」ということなのではないか。記録的な売上を記録したということは、「売れているから」買った、いわゆるにわかファンが多かったことが想像される。そういうファンは、同じバンドの作品を2枚も買えばたくさんと感じるだろうし、『アストラ』に長い制作期間をかけたことで、逆に「忘れ去られた」面があると思う。
そして、このアルバムの後でエイジアは活動停止状態(実質的な解散状態)に陥ってしまう… この原因は、明らかにレコード会社がサポート(活動資金)をストップしたからだろう。ライブ・ツアーを行わなかったのも、始まる前の時点ですでに儲からないのが見えていたからだと思われる。
内容のほうも、たしかに傑作といえる前2作には及ばないようにも感じられる。しかし、エイジアのアルバムの中でぼくが一番好きなのはこのアルバムなのだ。特に2ndではキーボードがやや目立ち気味で、個人的にはちょっと気に入らないのだが、このアルバムではギタリストがハードロック寄りのプレイをするマンディ・メイヤーになったこともあり、そのハードなギターがいいアクセントになっている。
曲も#8-#10の3曲、特に#9,#10は大好きで*1、何度も繰り返して聴いてしまう。しかし、実のところ初めのうちはその他の曲はあまり気に入らなかった。曲名も、「ゴー」、「ボイス・オブ・アメリカ」、「ロック・アンド・ロール・ドリーム」、「カウントダウン・トゥ・ゼロ」などシンプル過ぎるし… だが、聴いているうちにそれぞれの曲の良さが分かり始めてきて、今ではお気に入りの一枚である。1stや2ndを気に入ってる方で、このアルバムを食わず嫌いしている方には特にお薦めしたい。
- 【参考】ウェットン時代のアルバム(のちに発売されたベストを含む)
Asia, 詠時感?時へのロマン, 詠時感(エイジア)~時へのロマン~ [でかジャケCD]
Live in Moscow, ライヴ・モスクワ 09‐X1‐90, Live in Moscow
The Very Best Of Asia: Heat Of The Moment (1982-1990)
- アーティスト: Asia
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*1:個人的には、この2曲と「Daylight」が、エイジアのベスト3。