『まぼろしの世界 サンプルズ』(1995)

勝井祐二さんと鬼怒無月さんが主宰しているレーベル、「まぼろしの世界」のサンプラー。レア音源が多そうだということで以前から目をつけていましたが、某所で発見してあわてて購入。

ライブ音源がほとんどで、ほかの作品に収録されていないテイクが多いのではないでしょうか? 詳細を書き出せばいい資料になるのでしょうが、気力がないので断念します… (詳細は、こちらのサイトトップページ)に書いてありました*1 特に耳に残ったものだけ記載(バンド名のみ)。

  • #1 バズーカ ジョー

ジャーン、ダカダカダカダカ…… ダン!
「(ボソッと)こんばんは。」(観客、笑いと拍手)
で、始まる演奏(笑) 内容も熱くていいですね! 買うに当たって、聴きたいと思っていたバンドのひとつです。

  • #5 AUSIA(オージア)

伝説の、といっていいのでしょう。足立龍介(G)、足立宗宥(G)、一噌幸弘(笛)、吉見征樹(tabla)、太田恵資(vln)によるバンド(ユニット?)。編成を見ればわかるとおり、アコースティックな感性が光る演奏です。ユニゾンで奏でられる細かなフレーズがまた圧倒的。一噌さんのソロが始まったところでフェードアウトするのがとても残念です。現在も別編成で活動中(オフィシャルサイト)。

  • #9 IXA-WUD(イグザウッド)

“いかにも”な、変拍子の曲。ヴォーカルはイコライジングされていて、インストに近い感じです。ほかのテイクは、ほとんどが'94末から'95年の録音なのですが、このテイクは'91年の録音とこのアルバムの中で一番古い音源となっています。

1st収録曲のライブ・ヴァージョン。いろいろと詰め込まれている曲で、メンバーそれぞれに見せ場があるのですが、やはり鬼怒さんのギターに耳が行ってしまいます。

このアルバムでは、唯一の吉田さん参加作品。吉田さんはドラムのほかにキーボードを演奏しています。イントロからキーボードの音が聴こえてきますが、けっこう音割れが。勝井さんはもちろんヴァイオリン。ふたりの対決という感じで楽しめます。

コミカルな中に、伸びやかなヴァイオリンが印象的。アルバムの締めというよりは、また最初から聴きたくなる演奏です。


ちなみに、「ディレクション」として、勝井さん、鬼怒さんと並んでクレジットされている伊藤憲司さんは、イトケンといったほうが通りがいいのかな? #9 IXA-WUDでは「イトウ」、#16 HARPYでは「いとう」、#14 ZZZでは「伊藤憲司」とクレジットされています。こちらに載っているインタビューでは、吉田達也さんのスタッフもやっていたことがあるとのこと。

*1:Improvised Music from Japan」に、もっと詳しいデータがありました。http://www.japanimprov.com/indies/maboroshi/samples.html(2009年5月13日追記)