GREG LAKE 『IN CONCERT』(1996)
- アーティスト: グレッグ・レイク,ゲイリー・ムーア
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1996/10/21
- メディア: CD
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Greg Lake Band
- Greg Lake: Vocals, Guitars
- Gary Moore: Lead Guitars, Vocals
- Tommy Eyre: Keyboards, Vocals
- Ted McKenna: Drums
- Tristram Margetts: Bass
- Produced by Greg Lake
- Recorded on: November 5, 1981 at The Hammersmith Odeon, London/England
原題は『In Concert』だが、数ヶ月遅れで発売された国内盤のタイトルは『キング・ビスケット・ライヴ』となっている。元々は「King Biscuit Flower Hour」というラジオ番組で放送された音源とのことで、そこから取ったのだろう。キング・ビスケットの音源はシリーズ化され、多くのバンドのライブ音源がCDになっている。*1
グレッグ・レイクはELP解散後の'81年と'83年に2枚のソロアルバムを出しているが、同じ時期のセッションを2枚に分けてリリースしたようだ。ちなみに最初のアルバムのタイトルはセルフタイトルの『GREG LAKE』だが、'90年代にCD化されたときの邦題及びアーティスト名は、『グレッグ・レイク&ゲイリー・ムーア』だった。*2 確かに、ゲイリー・ムーアをフィーチャーしているが…
伊藤政則氏の書かれたライナーによると、元々このバンドが初めてライブをしたのが、なんと'81年8月30日開催のレディング・フェスティバルだったそうだ。さらにはアルバム『GREG LAKE』の発売は10月だったとのことで、観客はどの曲を演奏するか全く予想がつかなかっただろう。
このライブアルバムの収録は11月5日で、アルバム自体は発売されていたようだが、観客の衝撃度はそれに劣らないものがあったと思われる。特に#9、クリムゾンの「21st Century Schizoid Man」では、イントロのあとでメインのリフが始まった時にやや遅れてわきあがる大歓声! その曲が何かを理解した瞬間の観客の興奮が生々しく記録されている。
このアルバムに収録された曲の内訳だが、ELPの曲(#1, #2の前半, #5)、ソロアルバムの曲(#3, #4, #8, #2の後半も)、ゲイリーの曲(#2の後半、#6)、キング・クリムゾンの曲(#9, #10)、カバー(#7)と多彩で、かつ選曲の意外性もあり楽しめる。全編にわたり、ゲイリーのギターがフィーチャーされ、そのハードロックというよりはへヴィメタリックなサウンドが大きな特徴となっている。バンドサウンドとしてはどうかと思う部分も多々あるが、ギターは単純にカッコイイ。
やはりELPと、特にクリムゾンの曲での盛り上がりが凄まじく、そこでは逆にゲイリーのギターが大きな違和感を感じさせるが、それがかえって面白い。ゲイリーの持ち歌である#6は、グレッグとのデュエットというある意味信じがたいバージョンが収録されている。この曲では、ゲイリーのギターのタメが過ぎる嫌いもあるが…
まあ、アルバム全体でみると名演・名盤と呼べる出来ではないように思う。バンドアンサンブルがイマイチだし、選曲ももうひと工夫欲しかった。特にクリムゾン・ナンバーが2曲はいくらなんでも多い。*3
しかし、そういいつつも実力、実績ともに申し分ない素晴らしいミュージシャンふたりの共演だから鳥肌の立つ場面も多いし、やはり聴き始めると最後まで通して聴いてしまう。「ありえない」組み合わせのバンドのライブ音源が残されていて、CDとしてリリースされたことに、まずは感謝したい。細かいことを気にしないで、まずは聴いてみることをお薦めしたい。
なお、この音源はのちに様々なタイトルで再発されている。Amazonで確認できるものを載せておく。千円未満で買えるものもあるようだ。
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- メディア: CD
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*1:ELPのものもある: King Biscuit Flower Hour Presents In Concert
*3:といいつつ、この2曲が無かったら買わなかっただろう。